2025年3月23日日曜日

(特集) 韓国教育の問題

 韓国では毎年、高校卒業(予定)者を対象に、韓国教育課程評価院が大学入試を行っています。この大学入試を通じて進学する大学が決まり、良い大学を卒業すれば社会的に認められ、良い企業に入る確率が高くなります。


また、内申(ないしん)という高校で学生の学業成績を評価するシステムもあります。内申は学校で行われる定期テスト(中間試験と期末試験)の成績を基にしています。各科目ごとに1位(最高)から9位(最低)までの相対評価がなされ、上位4%以内に入らなければ1位にはなれません。

韓国の内申を風刺する内容の「入試放課後戦争活動」というウェブコミックがあります(ドラマにもなりました)。大学入試を控えた高校3年生の学生たちが突然、宇宙人との戦争に動員されます。学生たちは勉強の代わりに実際の戦争に参加し、そのことで大学入学に有利な加算点をもらえることになったのです。さらに怖いのは、教師たちが加算点を得るために学生たちを戦争に参加させようと促すことです。


結局、韓国の学校で行われるすべての行動と努力は良い大学に入るためのものです。


そのため、数多くの問題や副作用が生じます。学生たちの過度な学業ストレスと精神的健康問題があり、睡眠時間はOECD諸国の中で最も短いです。青少年の幸福度は世界で最下位圏にあり、10~19歳の死因で自殺が12年連続1位を占めています。


大学入試をうまく受けるために、みんな競争的に塾に通い、高い教育費と家庭の経済的負担が増し、収入の多くを塾代に使うことになります。(家庭の教育費支出はOECD諸国の中でトップクラスです。)


教育のせいで子どもたちは不幸になり、家庭はお金が足りなくなり、生活が困難になっています。


誰かはこう言うかもしれません。それだけ教育熱心だからこそ、韓国はここまで発展したのだと。


しかし、大学入試を教育だと言えるのでしょうか?


学校教育の本質は、社会に出る前に必要なことを学ぶことであり、試験はどれだけよく学んだかを確認する手続きのはずです。しかし、韓国では試験を攻略する過程を教育だと言っているように見えます。


大学入試自体も、知識をテストするというよりは順位を分ける手段として、不必要に難しく出題されます。理解や知識が重要なのではなく、どれだけ多くのことを具体的に覚えたかが重要です。


学生、学校、塾は大学入試をうまく受けるための攻略法を研究し、大学入試をうまく受けるための技術を習得し、最適化し、暗記して鍛えます。


もちろん良い大学や会社に入ることは重要です。しかし、学校が良い大学や会社に行くための手段だけになってはいけません。


みんなが大学入試だけを見ているからと言って、学校までその雰囲気に巻き込まれて同調することは、社会の未来を考えたときに大きな問題だと思います。


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